抗血栓療法患者の口腔外科処置における出血管理に関する検討
近年、様々な既往を持つ高齢の患者さんが歯科において抜歯などの観血的処置を受けることが増えています。特に脳梗塞や心筋梗塞の既往があり抗血小板療法を受けている患者さんや、静脈血栓症や心房細動があるために抗凝固療法を受けている患者さんでは、観血的処置における止血に注意が必要となります。このため抗血小板薬服用患者さんの抜歯の際には、あらかじめ出血時間を測定することがあります。しかし出血時間は抜歯後出血を反映するものではないので、抗血小板薬継続下の抜歯を安全に行うための十分なモニタリングとは言えません。また抗血栓療法として、抗血小板療法と抗凝固療法を併用されている患者さんも多く、出血時間やPT-INRに併用できるモニタリング検査法の開発も必要です。
本研究では抗血小板療法施行患者、抗凝固療法施行患者、抗血小板+抗凝固療法施行患者の血小板凝集能と抜歯後出血との関連(主に一次止血に関して)を明らかにすることを目的としています。