研究について

発達期の脳における麻酔薬の影響

近年、麻酔薬が乳幼児の発育に与える影響について多くの研究が行われています。脳神経細胞は幼弱期の発達段階でアポトーシス変化を伴って成熟することが知られていますが、発達期の麻酔薬への暴露が通常以上にアポトーシス変化を誘導することが示唆されており、その後の成長発育への影響が懸念されています。

歯科の麻酔の領域では、小児に全身麻酔を行うことが多く、その安全性は十分に確認されていなければなりません。ご両親はやはり麻酔の危険性を気にします。そのような保護者の心配に対しても十分な説明ができなければなりません。そのためには患者さんを預かる麻酔の専門家としては麻酔薬と発達期の脳機能への影響を十分に研究し、理解している必要があります。

麻酔薬は脳神経活動を抑制させることから、手術中の脳神経保護につながるといった報告もありますが、脳の発育への影響は慎重に検討を重ねる必要があります。臨床研究では危険性を示すものもありますが、その為害作用は麻酔時間や頻度、年齢に依存するものの短時間の麻酔であれば影響は極めて少ないようです。本研究では、脳神経細胞に対する麻酔薬の影響を基礎的に検討し乳幼児・小児の麻酔の安全性を検証することを目的としています。

現在はマウスの脳神経細胞を培養し、アポトーシス変化の指標となるカスパーゼ活性を検出できる蛍光タンパクを導入することで、蛍光強度の変化でアポトーシス変化を経時的に観察することができる実験系の確立を目指しています。

マウスの培養神経細胞と導入された蛍光タンパク

麻酔薬によりアポトーシスをおこした神経細胞

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